自然の地形的バリアに加え、現代の東京湾は世界でも屈指の堅牢な人工防護システムによって守られています。東京都港湾局や江東治水事務所が管理する防潮堤ラインは、東京湾平均海面(T.P.)基準で高さ4.6メートルから6.9メートル超に達しており、想定される2.5メートルの津波波高を余裕をもって跳ね返す構造計算がなされています。
津波警報発令時に生命線となるのが東京湾 防潮堤 水門閉鎖の自動化・遠隔化です。東日本大震災の教訓を受け、現地へ職員が駆けつけることなく、オペレーションセンターからの遠隔操作によって十数分以内に主要な水門・陸閘を完全閉鎖できる通信二重化ネットワークが構築されています。
また、海上に浮かぶ巨大交通インフラである東京湾アクアライン 津波安全性についても検証が進んでいます。海底トンネル部(アクアトンネル)の坑口には、海抜の高い人工島「海ほたる」および川崎側陸上部において止水壁や防潮水門が多重配置されており、万一の海面上昇時にもトンネル内部へ海水が滝のように流入することを防ぐ設計です。海上橋梁部(アクアブリッジ)も桁下が十分に高く設計されており、数メートル程度の津波で落橋するリスクは皆無に近いと評価されています。