のどかな風情が広がる鴨川デルタですが、予備知識なしに訪れると手痛いトラブルに見舞われる現実があります。現地を訪れる際に直面する「3大リスク」について、現場の実態を検証します。
第一のリスクは、上空を旋回するトンビ(トビ)による食べ物の強奪です。京都市内を流れる鴨川沿い全域で注意喚起されていますが、四方を川に囲まれ視界が開けたデルタは、トンビにとって死角のない狩場となっています。被害者の多くは「後方から音もなく滑空され、手にしたパンや豆餅を一瞬で爪先で弾き飛ばされた」と証言します。食べ物を失うだけでなく、鋭い爪で手や指、顔に裂傷を負う怪我の事例が毎年報告されています。屋外で食事をする際は、パラソルや木陰の下に身を寄せるか、頭上を常に警戒し、食べる瞬間以外はケースの中に隠すなどの徹底した自衛策が不可欠です。
第二の深刻なリスクが、河川の急激な増水です。鴨川の上流には急峻な北山山地が控えており、京都市内が穏やかに晴れていても、上流部で局地的な集中豪雨(ゲリラ豪雨)が発生すると、わずか数十分で大量の雨水が合流点へと押し寄せます。普段は水面から顔を出している飛び石が瞬く間に濁流に呑まれ、中州に取り残される水難事故の危険が生じます。川沿いに設置された回転灯や警報サイレンが鳴り響いた場合、あるいは水の色が茶色く濁り始めた場合は、写真撮影などを中断し、躊躇なく両岸の堤防上へと退避しなければなりません。
第三に、日没後の夜の治安と安全性への配慮です。鴨川デルタ一帯は自然景観を保護するため、街灯の数が意図的に制限されています。そのため夜間は足元が漆黒に包まれ、飛び石を踏み外して流速の速い川へ転落するリスクが跳ね上がります。また、深夜になると酒盛りをする学生や若者グループが集まり、大声での騒唱やゴミの放置が近隣問題に発展するケースも散見されます。女性の一人歩きや、泥酔状態での川辺への立ち入りは厳に慎むべきです。