1987年にスタートしたフジテレビ系冠番組『志村けんのだいじょうぶだぁ』において、番組の核となったのが志村けんさんと石野陽子さんによる夫婦コントでした。「ご太郎・ようこ」に代表される、寝室での軽妙な痴話喧嘩や朝の寝起きをコミカルに描いたスケッチは、計算し尽くされた間合いと阿吽の呼吸によって生み出され、お茶の間の絶大な支持を獲得しました。
当時、石野さんはアイドル歌手からコメディエンヌ・女優への転換期にあり、18歳の年齢差(奇しくも二人は同じ2月20日生まれ)がありながらも、志村さんのアドリブに対して怯むことなく完璧なツッコミを返していました。後年のインタビューでもいしのさんは「台本通りのアドリブに見せるため、志村さんから徹底的に間の取り方や笑いの技術を叩き込まれた」と振り返っており、単なる共演者を超えた師弟関係が築かれていたことが伺えます。
そうした番組内での親密さはプライベートにも直結していました。1980年代末から1990年代初頭にかけて、報道各社によって二人の同棲と熱愛が相次いでスクープされます。都内の高級マンションで生活を共にし、志村さんの行きつけの飲食店にも頻繁に二人で姿を現すなど、事実上の夫婦同然の生活を送っていたことは公然の事実でした。