マックフライポテトが朝帯に姿を消す最大の理由は、揚げ油の「調理温度」とフライヤーの「物理的限界」にある。マックフライポテトを理想的な外カリッ、中ホクホクの食感に仕上げるための設定温度と、朝食メニューであるハッシュポテトを最適に揚げる温度には、決定的な違いが存在する。限られた厨房スペースに設置できるフライヤーの台数には限りがあり、同じ油槽で異なる温度帯のポテトを同時に調理することは物理的に不可能だ。
さらに、午前10時30分の切り替えタイミング(いわゆるチェンジオーバー)は、厨房内が最も慌ただしくなる瞬間である。フライヤーの油温をレギュラーメニュー用に再設定し、加熱を完了させるには一定の時間を要する。もし朝から両方のポテトを提供しようとすれば、揚げムラが生じて品質が低下するか、提供時間が大幅に遅延することになる。あの圧倒的な提供スピードとクオリティを維持するためには、時間帯ごとに調理設備を完全に分離・切り替える仕組みが不可欠なのだ。