外来アリの国内定着を意地でも阻止するため、行政と研究機関のタッグはこれまでにない強化態勢を敷いている。環境省が作成し改訂を重ねる環境省「特定外来生物ヒアリ防除マニュアル」は、自治体や物流事業者が現場で即座に実行すべきベイト剤(毒餌)の配置手順や、薬液散布の基準を事細かに定めた行動指針だ。
現場を支えるテクノロジーの進歩も著しい。国立環境研究所による最新の生態系データ分析や拡散シミュレーション技術を活用することで、コンテナの着岸地点から内陸の物流倉庫に至るリスクルートがピンポイントで可視化されている。単に薬剤を大量散布するのではなく、在来種へのダメージを最小限に抑えつつ狙い撃つ防除戦略が現場で奏功しつつある。