この国際的な汚名と住民の健康被害を払拭するため、インドネシア政府は2018年、大統領令を発令し「チタラム・ハルム(チタラム川浄化プロジェクト)」を本格始動させました。国軍を動員して川沿いに部隊を配置し、不法投棄を監視するとともに、重機を使って水面を埋め尽くしていた膨大な浮遊ゴミの撤去を強制的に進めたのです。
2026年現在の現地取材や観測データによると、かつてのように「水面がゴミで完全に覆われて見えない」といった最悪の状況は大幅に減少しました。幹線水路ではボートの航行が可能となり、一部の流域では魚の生息が確認されるなど、視覚的な改善は着実に進んでいます。
しかし、抜本的な解決には至っていません。上流部や支流からのプラスチック流入は依然として続いており、川底に何十年も堆積した有害なヘドロの除去には莫大な予算と時間が必要です。さらに、監視の目を盗んで深夜に排水を流す悪質業者の摘発や、住民のリサイクル意識の定着など、ソフト面の課題が今もなお横たわっています。