日本中を席巻した大ヒットシングル『TRAIN-TRAIN』の発売日は1988年11月23日。レーベルをメルダックへ移籍したTHE BLUE HEARTSが放った通算5枚目のシングルであり、同日発売のサードアルバム『TRAIN-TRAIN』からの先行シングルカットという異例の展開を迎えました。インディーズ時代からの爆発的な熱気がお茶の間レベルの社会現象へと昇華した転換点です。
楽曲の認知度を決定づけた契機が、1989年1月に放送を開始したTBS系ドラマ『はいすくーる落書』の主題歌起用でした。主演の的場浩司や保阪尚希らが演じる落ちこぼれ高校生たちの荒々しくも不器用な日常と、オープニングで鳴り響くブルーハーツの咆哮。学校の管理教育と生徒たちの摩擦を描いたリアルなドラマの空気感と楽曲の疾走感は奇跡的な親和性を見せ、オリコンシングルチャートで最高5位を記録、約50万枚のセールスを叩き出すロングヒットを記録しました。
当時の音楽業界関係者の回顧録によると、タイアップありきで制作されたコマーシャルソングではなく、バンドが己の表現を極限まで研ぎ澄ませた楽曲が偶然ドラマの世界観と共鳴した稀有な事例と評価されています。テレビ画面を通じて全国のティーンエイジャーへ届いたこの曲は、単なる劇伴の枠を越え、抑圧に喘ぐ若者たちのバイブルへと昇華していきました。