体調不良による下痢便や、女性特有の生理周期と健診日程が重複してしまった場合、無理に採取を進めると検査の信頼性が損なわれます。状態ごとの明確な判断基準を知っておくことが肝要です。
生理中の採取は原則として「延期・日程変更」が鉄則
便潜血検査(免疫法)は、人間の血液中に含まれるヘモグロビンにのみ極めて鋭敏に反応します。そのため、大腸疾患による出血と経血(子宮からの出血)を判別することは不可能です。生理中に採取した場合、ほぼ確実に「陽性」と判定され、不要な大腸内視鏡検査(大腸カメラ)を受診せざるを得なくなります。
健診センターや医療機関の多くは、生理終了後3日以上経過してからの後日提出に対応しています。生理と重なった場合は自己判断で採取せず、受付窓口へ連絡して検体提出の延期手続きを行いましょう。
下痢便(水様便・泥状便)の採取可否
下痢の程度によって対応が分かれます。形を保てないサラサラの「完全な水様便」の場合、容器内の保存液(緩衝液)の濃度バランスが崩れる上、便の成分が薄まりすぎて測定不能(エラー)となるため採取は推奨されません。
ある程度の粘り気がある「泥状便・軟便」であれば、スティックの先端を表面にまんべんなく滑らせることで採取可能です。ただし、感染性胃腸炎などの急性下痢症を発症している最中は、腸粘膜の充血によって微量出血が混ざりやすいため、体調が回復してからの採取が望ましいとされています。