日立市かみね動物園がInstagramやX(旧Twitter)、TikTokなどのSNSで絶大な支持を集めている最大の要因は、「標高約130メートルの丘陵地から太平洋の水平線を借景に動物を観察できる」という全国唯一の視覚体験にあります。青空と紺碧の海を背にキリンが首を伸ばす姿や、開放感あふれるウッドデッキからの眺望は、スマートフォンの画面越しでも圧倒的な存在感を放ちます。
「地方の公立動物園」という従来のイメージを覆した背景には、日立市が戦略的に進めてきた一連の大型リニューアル計画が存在します。その象徴が、猛獣展示エリア「がおーこく」です。ガラス越しに肉薄するライオンやベンガルトラの巨躯、頭上を通過するキャットウォークなど、動物の野生本来の運動能力を立体的に引き出す構造が導入されました。来園者は息遣いや足音、筋肉の躍動を間近で体感できます。
さらに、爬虫類・両生類を多角的に観察できる「はちゅウるい館」や、動物本来の採食行動を促す「ゾウ舎」「キリン舎」の再整備など、動物福祉(アニマルウェルフェア)に配慮した近代展示への転換が高く評価されています。報道各社の取材に対し、園の展示担当者は「動物が活き活きと暮らす環境を整えることこそが、来園者に最も強い感動を与える」と語っており、その理念が見事に具現化された結果が、近年のSNSにおける自発的なバズを生み出しています。