ネット上の言説においてしばしば見受けられるのが、「八木莉可子はクールな高嶺の花専門の女優である」という固定観念です。端正な顔立ちと凛とした眉立ちから、無口で影のあるキャラクターばかりが似合うと思われがちですが、これは彼女の出演歴を俯瞰した際には明白な誤認と言えます。
好例が『パリピ孔明』での久遠七海役です。劇中では路上ライブで歌う素朴な姿から、仮面をつけて過激なダンスを披露するメジャーアイドル「AZALEA」としての姿まで、激しいギャップを見事にこなしました。さらに、2024年の『お迎え渋谷くん』では、恋に不器用で真っ直ぐすぎる保育士役を務め、豊かな顔芸やコミカルなリアクションを披露。等身大の柔らかい人間味を存分に発揮しています。
また、「順風満帆なエリートコース」という見方も実態とは異なります。滋賀から新幹線で何年も東京に通い続け、学業の単位を落とさないよう新幹線車内で課題をこなしながらオーディションに挑み続けた泥臭い努力の日々がありました。華麗なビジュアルの裏にある粘り強いプロ根性こそが、役柄に滲み出る「芯の強さ」の正体です。