不法原因給付とは?お金が返ってこない驚愕の真相と3つの例外

不法原因給付とは?お金が返ってこない驚愕の真相と3つの例外

不法原因給付とは?お金が返ってこない驚愕の真相と3つの例外について専門的な視点から解説いたします。専門家の見解をご確認ください。

民法708条には重要な例外規定が存在します。それが民法708条但書(ただし書)です。条文には「ただし、不法な原因が受益者についてのみ存したときは、この限りでない」と明記されています。

さらに最高裁の判例動向では、文言通りの「受益者のみに不法がある場合」にとどまらず、双方に多少の落ち度があっても「双方の不法性を比較し、受益者(受け取った側)の不法性が給付者に比べて極めて著しい場合」には、但書の類推適用によって返還請求を認める「不法の比較論」が定着しています。

1. 闇金(ヤミ金融)の元本返還請求を否定した最高裁判決

金融トラブルにおける画期的な判断として知られるのが、最高裁判所平成20年6月10日判決です。出資法違反の超高金利で違法な貸し付けを行うヤミ金融業者について、最高裁は「著しく高利の貸し付けは反倫理的行為であり、貸し付けた元本そのものがヤミ金業者からの不法原因給付にあたる」と判示しました。

これにより、ヤミ金業者は借り手に対して「利息」だけでなく「貸した元本」の返還すら一切請求できなくなりました。一方で、借り手が支払ってしまった返済金については、ヤミ金側の不法性が圧倒的に重いため、不法行為に基づく損害賠償として全額取り戻す道が開かれています。

2. 詐欺被害・強迫被害における被害者の保護

「違法な裏スロットで儲かる」「裏口入学の手配ができる」など、給付者側にも倫理的な非難を受ける余地がある名目で金銭をだまし取られた場合でも、詐欺グループ側の反社会性・違法性が圧倒的に重大である場合、裁判所は民法708条の適用を制限します。被害者側の落ち度を理由に詐欺犯に金を保持させることは著しく正義に反するため、不当利得返還請求や損害賠償請求が認められます。

山口 彩花
著者

山口 彩花

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。