日本語の「よろしくお願いします」をそのまま韓国語に直訳しようとすると、コミュニケーションのズレが生じる代表例が「別れ際」と「作業の引き継ぎ」の場面です。
日本人のビジネス現場では、退社時や面談終了時に「それでは、よろしくお願いいたします」と言い残して去る文化があります。しかし、これを直訳して「잘 부탁합니다」と言ってしまうと、韓国のネイティブは「何を頼まれたのだろうか?」と疑問に感じてしまいます。
韓国社会において別れ際に使うべき標準的なフレーズは以下の通りです。
- 仕事を終えて帰る相手に対して:「수고하셨습니다(スゴハショッスムニダ=お疲れ様でした)」
- 先に自分が退社するとき:「먼저 들어가 보겠습니다(モンジョ トゥロガ ボゲッスムニダ=お先に失礼いたします)」
- その場に残る人への挨拶:「안녕히 계세요(アンニョンヒ ケセヨ=さようなら/お元気で)」
韓国の言語文化では、言語化される要求の対象(依頼事項)が具体的であることが重んじられます。日本語のような「阿吽の呼吸」や「包括的な配慮」を「よろしくお願いします」の一言に込める文化とは異なり、何を依頼しているのかを明確にする文化的バウンダリー(境界線)が存在することを理解しておく必要があります。