両社の最大の違いは、家をどのように建てるかという「製造思想」に集約されます。工業化による均一な品質を極めるか、現場施工による唯一無二の邸宅美を追求するかという、対極のアプローチをとっています。
セキスイハイムのユニット工法と耐震性能は、プレハブ住宅の究極形とも呼べる技術です。住宅を複数の鉄骨ボックス(ユニット)に分割し、工程の約80%を天候に左右されないハイテク工場内で組み立てます。外壁、窓ガラス、断熱材はもちろん、配管やキッチン設備の一部まで屋根のある工場内でミリ単位の精度で組み上げ、現場へ大型トラックで搬入。わずか1日で雨仕舞い(屋根まで組み上げること)を完了させる棟上げスピードは業界屈指です。
構造体には極太の角形鋼管を用いた「ボックスラーメン構造」を採用しており、高層ビルと同等の剛性を誇ります。実大耐震実験を幾度もクリアした耐震等級3標準の堅牢さは、大地震の揺れに対しても圧倒的な安心感をもたらします。
対照的に、積水ハウスのシャーウッド木造と鉄骨構造は、設計の自由度と構造美を両立させています。同社の主力は、軽量鉄骨ブレース構造の「ダイナミックフレーム・システム」と、独自開発のハイブリッド木造である「シャーウッド構法」の2本柱です。木造シャーウッドでは、専用の構造用集成材と高精度な金物接合(MJ接合)、基礎と柱を直接結合する基礎直接緊結システムを採用し、木造でありながら大開口・大空間を実現します。
鉄骨住宅においても、重量鉄骨の「ベータシステム構法」を有し、都市部の3〜4階建て狭小住宅まで柔軟に対応可能です。陶版外壁「ベルバーン」(木造用)や最高級外壁「ダインコンクリート」(鉄骨用)の彫りの深い意匠性は、積水ハウスならではの圧倒的な重厚感を醸し出します。
ここで比較検討者の多くが直面するのが、セキスイハイムと積水ハウスの間取り自由度比較における明確な差です。セキスイハイムのユニット工法は、四角い箱をパズルのように連結する構造上、ユニットの継ぎ目にどうしても「抜けない壁」や「構造柱」が生じます。斜め壁や複雑な多角形プラン、ミリ単位の空間微調整には制約が伴います。
一方で積水ハウスは、柱のない最大7メートル超の大スパン空間(ファミリースイート)や自由自在な吹き抜け、勾配天井など、敷地形状や施主の要望に応じたオーダーメイド設計を得意としています。「間取りの妥協を一切したくない」という層にとって、設計自由度の差は極めて大きな決定要因になります。