クリエイターコミュニティにおいて、トレス行為そのものは長年、基礎デッサン力の向上や締め切りに追われるプロのスピードアップ手法として活用されてきた。骨格のバランスや複雑なパースを瞬時に把握できるため、特にコミック制作やアニメーションの下絵段階では標準的な工程だ。
しかし、ネット上の反応はときに過激だ。SNS上では「他人のイラストをそのままなぞったのではないか」という追及が日常茶飯事で行われている。とりわけ商用作品において他者の著作物を無断トレスした事例が発覚すると、クライアント企業の信用問題にまで発展する。単なる「練習用」と「商業発表」の区別があいまいなまま拡散される現状が、火種を大きくしている。