この嘘のような実話は、やがてメディアを通じて全国へと広がり、大きな感動の波を巻き起こした。著者である施設長・若山三千彦氏が執筆した著書『看取り犬・文福の奇跡』(KADOKAWA)は、発売直後から大きな反響を呼び、版を重ねた。死という重いテーマを扱いながらも、文福の存在がもたらす優しさに救われる読者が続出したのだ。
さらにNHKのドキュメンタリー番組をはじめとする各種メディアでも大きく特集され、映像を通じて文福が寄り添う姿が全国のお茶の間に届けられた。死を恐怖や孤立の中で迎えるのではなく、温もりの中で迎えることの意味を、1頭の犬が日本中に問いかけた瞬間でもあった。