インターネット上には、昭和から平成にかけて定着した誤った飼育知識が今なお散見されます。科学的エビデンスに基づいてこれらの迷信を是正します。
誤解1:「猫には牛乳をあげるのが定番」の危険
子猫のイメージから「猫=牛乳が好き」と思われがちですが、離乳後の成猫の多くは母乳中の糖分を分解する酵素(ラクターゼ)活性が低下しており、「乳糖不耐症」を抱えています。一般的な市販の牛乳(人間用)を与えると、乳糖を分解できずに浸透圧性下痢や腹痛、激しい嘔吐を引き起こします。水分補給や嗜好品として乳製品を与える場合は、必ず乳糖をあらかじめ分解・除去した「猫用ミルク」を選択してください。
誤解2:「お魚くわえたドラ猫」のイメージと黄色脂肪症
アジ、サバ、サンマ、イワシといった青魚には不飽和脂肪酸(DHA・EPA)が豊富に含まれますが、猫にこれらを長期的に多量給餌すると、体内の不飽和脂肪酸が酸化し、皮下脂肪に炎症が起きる「イエローファット(黄色脂肪症)」を発症します。発熱やお腹に触られるのを極端に嫌がる痛みを伴う病気であり、魚を与える際も白身魚をメインにするのが鉄則です。