地方都市のシャッター通り化や医師不足が叫ばれて久しい。しかし、鳥取県に根を下ろすイヌイ薬局は、その物理的なハンディキャップを逆手に取った。スマートフォンの普及とオンライン診療の規制緩和を追い風に、全国どこからでも専門薬剤師に相談できる体制をいち早く構築したのだ。
画面越しに行われるカウンセリングは、単なる問診にとどまらない。顔色、声のトーン、日々の細かな不調までを丁寧に聞き取る。地方発のこのサービスが、多忙を極める都市部のビジネスパーソンや、近くに信頼できる漢方医がいない地方在住者の救いとなっている事実は極めて興味深い。テクノロジーの進化が、かつての「かかりつけ薬局」の温もりを全国規模で再現可能にしたのだ。