国政における議院内閣制と異なり、日本の市政は市長と市議会の関係と違いを正しく把握することが不可欠です。自治体では、行政のリーダーである「市長」と、住民の代表である「市議会議員」の双方を市民が直接選挙で選ぶ「二元代表制」が採用されています。
市長は「執行機関」の長であり、予算案の調製・提出、条例案の提案、職員の指揮監督、公共事業の執行権限を一手に握ります。一方で市議会は「議決機関」として、市長が提出した予算や条例案を審議・承認(可決)または拒否(否決)する権限を持ちます。さらに、決算認定や市政調査権(地方自治法第100条に基づく調査権)を通じて市長の暴走をチェックします。
首長と議会が互いに緊張感を保ち、抑制と均衡(チェック・アンド・バランス)を利かせることで、独善的な税金投入や不当な政策推進を食い止める設計になっています。しかし、現実の議場では市長派と反対派の政治的駆け引きが激化し、地域に必要な予算案が長期間凍結されるケースも散見されます。市民が議会の傍聴や録画配信をチェックし、誰がどのような主張をしているかを監視する姿勢が不可欠です。