是枝裕和監督の『万引き家族』がカンヌ国際映画祭で最高賞のパルムドールを受賞した際、世界中の批評家を戦慄させたのが安藤サクラの泣き演技だった。取調室で静かに涙を流すあの数分間は、日本映画界の歴史に刻まれる名場面となった。
一方、江口のりこもまた、小規模な単館系映画から大作映画まで、数々の監督たちから「作品の質を保証するピース」として熱烈なオファーを受け続けている。過剰な演出を削ぎ落とし、ただそこに存在するだけで役柄の半生を感じさせる力。是枝作品をはじめとする名作群において、彼女たちが残した爪痕はあまりにも深い。