長年信じられてきた「加熱してから冷凍(ブランチング)」というセオリーを覆し、なぜ今「生のまま冷凍」が推奨されているのか。その理由は、糖分の熱変性と水分流出のタイミングにあります。
とうもろこしの甘みの主成分であるショ糖や果糖、ブドウ糖は、沸騰した湯で茹でる過程で微量ながら外へと溶け出します。また、茹でた後に常温で冷ます時間中にも水分が蒸発し、粒の表面にシワが寄る原因となります。一方、買ってきた当日に生のまま空気を遮断して冷凍すると、酵素の働きが一気に休止状態へ追い込まれ、糖分のデンプン化が強力にストップします。
さらに、生のまま凍結させたとうもろこしを食べる直前に一気に加熱すると、細胞壁内の水分が一気に膨張して蒸し焼き状態になるため、茹でた時よりも粒がふっくらと弾け、噛んだ瞬間に果汁のようなエキスが溢れ出るという結果が得られます。調理の手間を大幅に削減しながら鮮度と糖度を同時にロックできる点こそ、現代のキッチンで「生冷凍」が圧倒的支持を集めている最大の根拠です。