ゾルディック家において、イルミが異常なまでの執着を見せるのが弟のキルアです。幼少期のキルアの脳内に無意識の針を植え付け、「勝ち目のない敵からは逃げろ」という防衛本能を過剰に刷り込んでいた理由は、家族の最高傑作であるキルアを確実に生存させ、将来的に暗殺家業のトップへ据えるための歪んだ歪曲教育でした。
キルアが自力で針を抜き取ったことで洗脳支配は崩壊しましたが、イルミの支配欲は消えるどころか、アルカ(ナニカ)の存在によってさらに先鋭化しています。
イルミがアルカを狙う理由は、キルアへの嫉妬や単純な排除ではありません。ナニカの「おねだり」と「お願い」のルールを誰よりも早く分析し、キルアだけがノーリスクでナニカへ命令できる特権を持っていると見抜いた瞬間、イルミの狙いは「キルアを完全に操り、ナニカの全能の力をゾルディック家の支配下に置くこと」へとシフトしました。家族を守るためという大義名分を掲げつつ、その根底にあるのは底なしの支配欲と実利主義です。