SNS等で頻繁に囁かれる「着席指定席で立つと退場になる」という噂は、決して大げさな脅し文句ではありません。主催者側の規約には明確に「指示に従わない場合は退場」と明記されており、現場の運用としても実効性を持ったルールとして運用されています。
ただし、鞄から物を取り出すための一時的な立ち上がりや、体調不良で通路へ移動する動作に対して即座にレッドカードが出るわけではありません。問題となるのは、演奏中にステージへ向かって立ち上がり、観覧を続ける行為です。通常は周辺を巡回している係員から「座ってください」という直接の注意が入ります。この口頭注意を無視したり、注意後に再び立ち上がったりを繰り返した場合、スタッフに身柄を誘導され、チケット没収の上で強制退場処分が下されます。
興行主がここまで厳格に着席指定席の立ち見禁止理由を貫く背景には、主に2つの安全管理上の要因が存在します。
第1に、会場の構造的な転落防止対策です。スタンド席の最前列や中層バルコニー席は手すりが低く設計されている箇所が多く、観客が興奮して身を乗り出したりジャンプしたりすると、階下へ転落する重大事故に直結します。第2に、後方観客の視認性確保です。ファミリー層、車椅子利用からの移乗者、高齢者、小児など「立ち上がって観覧することが困難な人々」に対して公平な視界を保証するため、例外なき着席が義務付けられています。