一部のネット論調や批評家からは、「アニメの人気に乗っかっただけの一過性のTikTokバズ」「ダンスが流行っただけの流行歌」という冷ややかな見方がなされることもありました。しかし、その見立ては楽曲の本質を見誤っています。
第一に、ダンス動画のBGMとして消費される楽曲の多くは、サビの15秒間のみが切り取られ、フル尺でのストリーミング再生に繋がらないケースが散見されます。しかし、「Bling-Bang-Bang-Born」はAメロ、Bメロ、ブリッジに至るまで一切の無駄がなく、曲全体を通して聴かせる構成美を持っています。イントロからアウトロまでテンションを維持させる展開の巧みさこそが、驚異的な完走率とストリーミングリピート再生を支えました。
第二に、Creepy Nutsはアングラなヒップホップマナーを何一つ捨てていません。DJ松永のスクラッチ技術やビート構築力、R-指定の高度な押韻とダブルミーニングは、アンダーグラウンドのヘッズをも唸らせる純度の高さを維持しています。「コアな音楽性を一切薄めず、大衆性を極限まで高めてマスに届ける」という、極めて困難なバランスを成立させた点にこそ、真の革新性があります。