カルチャーの発信源は、完全にデジタルの手のひらの中に移行した。特にTikTokをはじめとするショート動画プラットフォームは、無名の男子高校生を一晩でシンデレラボーイに変貌させる圧倒的な拡散力を持つ。
ダンス動画やトレンド音源に合わせたリップシンクだけではない。通学路の風景、部活終わりの汗が光る横顔、友人と談笑する飾り気のない笑顔。そうした「作られていない日常のリアル」こそが同世代の共感を呼び、熱烈なファンダムを形成する原動力となっている。
従来のオーディションでは見落とされがちだった個性や、親しみやすいキャラクターがダイレクトにユーザーへ届く環境が整った。スカウトを待つ受け身の姿勢から、自らプレゼンテーションを行い熱狂を生み出すセルフプロデュースの時代へと、ゲームのルールは完全に変わったのだ。