おもてなしの場を一新するのが、フルーツカッティングの技術だ。大仰な道具は必要ない。研ぎ澄まされた一本のペティナイフがあれば十分だ。小回りの利くペティナイフは、果皮と果肉のデリケートな境界線を思い通りに操ることを可能にする。
もっとも簡単に歓声を生み出せるのが、皮を器に見立てるサーブ方法だ。オレンジの果肉をくり抜いた後、スライスした果肉を互い違いに重ねて皮のカップへと戻す。あるいは、皮の端にV字の切り込みを入れてリボンのように見せるテクニックもある。刃先の角度をわずか45度に保ち、皮の表面だけを薄く滑らせる感覚を掴めば、誰でも短時間で仕上げられる。
皿に置いた瞬間の立体感と、照明を受けた果肉の艶。切り方ひとつで、日常のオレンジはまるで上質なホテルの朝食ビュッフェのような品格をまとう。