皇居観光の定番記念撮影スポットといえば、皇居前広場から望む二重橋です。しかし、一般に「二重橋」として親しまれている風景には、意外と知られていない皇居の歴史真相が存在します。
観光客がよく背景にして撮影するアーチ状の石橋は、実は「正門石橋(通称・眼鏡橋)」です。本来の二重橋の歴史における主役は、その奥に架かる「正門鉄橋」を指します。江戸時代、濠が非常に深かったため、橋桁を支えるために橋の上にさらに橋を重ねる構造(二重構造)で作られていたことから「二重橋」と呼ばれるようになりました。現在架かる鉄橋は後代に架け替えられた近代的な構造ですが、往時の呼び名がそのまま定着しています。
また、広場南側の緑地に凛々しく佇む楠木正成像も見逃せません。別子銅山を開いた住友家が明治期に献納したもので、名匠・高村光雲らが手掛けた日本を代表する騎馬像の傑作です。南北朝時代の忠臣・楠木正成が後醍醐天皇を馬上でお迎えする勇姿を表現しており、甲冑の精緻な彫刻や馬の躍動感は現代の彫刻芸術としても極めて高い評価を得ています。