現代の医療において、骨盤臓器脱は確実にコントロールできる疾患です。治療選択肢は進行度(ステージ)や年齢、全身状態、患者本人のライフスタイルに応じて多岐にわたります。
保存的療法の代表格であるペッサリー療法の評判は、患者の生活習慣によって二極化します。「入れた瞬間に挟まる感覚が消え、劇的に楽になった」という好意的な声がある一方、「異物感がある」「おりものが増えて臭いが気になる」「定期的な洗浄通院が負担」という意見も目立ちます。自己着脱型リングの導入も進んでいますが、手指の器用さや衛生管理能力が求められます。
外科的アプローチにおける子宮脱の手術と最新治療の中心は、日本でも普及した「腹腔鏡下仙骨膣固定術(LSC)」です。お腹に小さな穴を4箇所あけ、ポリプロピレン製のメッシュシートを用いて下垂した子宮頸部や膣壁を仙骨の靭帯に吊り上げます。従来の手術に比べて出血量が極めて少なく、術後の痛みが軽微で、何より再発率が劇的に低い点が特長です。近年ではロボット支援下手術(RASC)を導入する基幹病院も増えており、より微細で安全な縫合が可能になっています。
受診に際して悩ましいのが、子宮脱は何科を受診すべきかという点です。一般的な婦人科でも診察は可能ですが、膀胱瘤や直腸瘤を合併しているケースが多いため、泌尿器科と婦人科の境界領域を専門とする「ウロギネコロジー(女性泌尿器科・女性骨盤底再建外科)」を掲げる医療機関を選ぶのが最も確実です。日本女性骨盤底医学会の認定医や専門医が在籍する専門外来であれば、保存療法から最新の低侵襲手術まで、幅広い選択肢から最適な方針を提示してくれます。