メディアで描かれる「土浦のドンファン」像は、夜の街で大金をばらまく好色な老人という一面ばかりが強調されがちです。しかし、土浦市内の地元飲食店や商店街、古くからの住民に聞き取りを行うと、まったく異なる横顔が浮かび上がってきます。
「昔気質の気前が良い旦那で、地元の祭りや寄付金には惜しみなく大金を出してくれた」「仕事に対しては非常に厳格で、不動産の契約や数字の管理は1円単位で徹底していた」と語る関係者は少なくありません。地元の商工関係者からは、強引なビジネス手法に対する批判的な声がある一方で、地域経済を下支えした功労者として評価する声も根強く残っています。
一方で、晩年における急速な健康状態の悪化に伴い、周囲に怪しげなブローカーや取り巻きが出入りするようになったことを不安視する近隣住民の声も聞かれました。莫大な資産を持つ高齢者が孤立していく過程で生じる人間関係の歪みが、結果として「トラブルの絶えない資産家」という評判を外部に定着させてしまった側面は否めません。