天七本店を語る上で欠かせないのが、初訪問者が最も緊張する「独自の注文ルール」です。これを知らずに注文すると、職人気質の店員から素っ気なく返答され、気まずい思いをすることになりかねません。
最大の鉄則は、串カツの注文は「同一串を2本単位で頼む」という点です。メニュー表に記載されている価格は1本あたりの表記ですが、注文を通す際は「牛カツを2本」「千寿ねぎを2本」とコールするのが決まりとなっています。「牛1本と玉ねぎ1本」といった頼み方は通らないため、1人で訪れる際は厳選した2〜3種(実質4〜6本)で組み立てる戦略性が求められます。
また、揚げ台の前に設置された深底のステンレストレーに入った特製ソースは、言わずと知れた「二度漬け厳禁」です。串を手に取ったら、食べる前にたっぷりと一度だけ浸すのがマナー。もしソースが足りなくなった場合は、添えられた生キャベツでソースをすくい、串の上に垂らすのが通の所作です。
看板メニューの中で外せないのが、地元足立区の誇るブランド葱を使った「千寿ねぎ」です。高温の油で揚げられた薄衣の中に、極上の甘みとトロリとした水分が閉じ込められており、甘口の特製ウスターソースと絶妙な調和を見せます。さらに、しっかり下味がついた「若どり」やジューシーな「牛カツ」、箸休めならぬ串休めに最適な酸味豊かな「紅生姜」は、多くの客が必ず頼む不動のローテーションとなっています。
なお、昨今の食用油や食材原価の高騰を受け、食べログ等の過去投稿にある1本160円〜190円前後の価格からは若干の値上がりが見られます。それでも1本あたり200円前後の水準を保っており、下町価格の恩恵は今なお十分に残されています。