「アパレル不況が叫ばれるなか、なぜグンゼは堅固な収益基盤を維持できるのか」――兜町の証券アナリストたちの間で交わされるこの問いの答えは、同社のセグメント別利益構成を見れば一目瞭然です。かつて同社の屋台骨であったグンゼ アパレル事業は、現在では高品質化とブランドの再編を進める安定基盤であり、全社の利益成長を力強く牽引しているのはグンゼ メディカル事業およびグンゼ 機能ソリューション事業の2大BtoB領域に他なりません。
決算開示資料を詳細に読み解くと、メディカル領域や高機能素材領域の売上総利益率はアパレル部門を大きく凌駕しています。特に、体内で自然に分解・吸収される医療部材や、ペットボトルの包装・産業用途に使われるシュリンクフィルムなどの機能性マテリアルは、国内外で極めて高い市場占有率を誇っています。「消費者の目に触れる下着ブランド」という表の顔の裏で、世界中の外科手術現場や先端製造ラインを支える「マテリアル・テック企業」へと変身を遂げているのです。