乳幼児を持つ保護者が直面する大きな不安が、子どもの肌荒れに対するステロイド使用です。生後数ヶ月の赤ちゃんの肌は、角質層の厚さが大人の約半分しかありません。皮脂分泌のコントロールも未発達であり、外用薬の経皮吸収率は成人の数倍に達します。
日本小児アレルギー学会のアトピー性皮膚炎診療ガイドライン等の標準的指針において、乳幼児の湿疹治療で第一選択とされるのは、原則として4群:Medium(ロコイド、キンダベート等)、あるいはより軽度の場合は5群:Weakです。赤ちゃんの薄い肌に対して、大人の体幹用である3群のリンデロンVGを長期連用した場合、全身へ移行する薬剤量が増加し、副腎皮質機能の抑制など全身性の副作用を引き起こす懸念が理論上生じます。
激しい掻破痕や重度のジュクジュクに対して小児科や皮膚科の医師が「3日間だけ塗って一気に沈静化させる」といった意図的な短期集中処方を行うケースは存在します。しかし、それは医師の厳密なモニタリングがあって初めて成立する治療戦略です。親が救急箱から勝手に見つけ出し、子どもの乳児湿疹やおむつかぶれに塗布する行為は絶対に避けなければなりません。