Yahoo!ファイナンスの個別銘柄掲示板、みんかぶ、X(旧Twitter)などの投資家コミュニティを定点観測すると、日立に対する市場参加者の声には明確な「二面性」が浮かび上がってきます。
掲示板で最も支配的なのは、長年保有してきた長期投資家たちの歓喜と称賛の声です。
「日立はかつて『ボロ株』と叩かれていた頃から握り続けているが、今や東証で最も安心できる銘柄になった」
「株式分割のおかげでNISA口座で買い増しやすくなった。配当も増え続けており、もはや一生手放す理由がない」
こうした「ガチホ(長期保有)」勢の書き込みからは、同社に対する絶大な信認が伝わってきます。
一方で、これからエントリーを検討している個人投資家の間では、強烈な「高値警戒感」と「押し目待ちの焦燥感」が渦巻いています。
「目標株価が引き上げられているのは知っているが、チャートがずっと右肩上がりでどこで入ればいいか分からない」
「PERやPBRの水準を見ると、従来の重電・製造業の物差しでは完全に割高に見えて手が出せない」
「少し調整したと思って指値を入れても、海外勢の買いが入ってすぐに反発してしまう」
といった悲鳴にも似た投稿が後を絶ちません。
投資家心理を行動経済学の観点から分析すると、ここには典型的な「アンカリング効果」が働いています。過去の「何でも作っている古臭い重電企業・日立」の株価イメージに囚われている投資家ほど、現在の株価水準に心理的抵抗を覚え、買い場を逃し続けています。対照的に、日立を「シーメンスやGEを超えつつあるグローバルDX&エネルギー企業」として冷徹にリレーティング(再評価)した海外の機関投資家が、調整局面で淡々と押し目買いを入れている構図が浮き彫りとなっています。