平成のテレビ界において、彼を語る上で外せないのがグルメ旅番組での縦横無尽な活躍だ。巨大な体の阿藤が狭い食堂の椅子に座り、豪快に料理を口に運ぶ姿は、見る者に圧倒的な安心感と幸福感を与えた。「うまい!」と唸り、時には「なんだかなぁ」と苦笑いしながらの食レポは、地方の一般人との自然な交流を生み出した。
カメラが回っていない場所でも、彼の温厚な人柄は変わらなかった。ロケ先の店主や現地の人々へ丁寧にお礼を述べ、サインや写真撮影の頼みにも快く応じた。現場の若手スタッフに対しても気さくに声をかけ、場の空気を和らげたというエピソードは数知れない。お茶の間を惹きつけたのは、取り繕うことのない彼の温かな人間性そのものだった。