主役級として第一線を走り続けてきた3人は、それぞれ異なるアプローチで「新しい時代の母親像」を提示し続けています。
松嶋菜々子は、『家政婦のミタ』で感情を排した家政婦を演じて社会現象を巻き起こした後、『となりのチカラ』や『王様に捧ぐ薬指』など、母親という役割を通じて人間の多面性を描く役柄を次々と開拓しました。彼女が放つ圧倒的なスター性は、作品の格調を一段引き上げる役割を果たしています。
吉田羊は、『コウノドリ』や『恋する母たち』、『妻、小学生になる。』などのドラマで、仕事と子育ての狭間で揺れる現代女性のリアリティを鮮やかに体現してきました。等身大の悩みや迷いを抱えつつ、自分の足で立つ母親の姿は、同世代の働く女性層から熱狂的な支持を集めています。
鈴木京香は、『グランメゾン東京』で見せたパートナーシップ的な大人の女性像から、『御手洗家、炎上する』での冷酷さと脆さが同居する歪んだ母親像まで、艶やかさと底知れぬ凄みを自在に行き来します。知性と品格をベースに持ちながら、どこか謎めいた陰影を感じさせる佇まいは唯一無二です。