WEB上や一部のSNSでは、生理の塊に関して非科学的かつ極めて有害な情報が拡散されることがあります。その代表例が「レバーのような塊は、子宮に溜まった毒素や老廃物をデトックスしている証拠」という言説です。
断言しますが、医学において「生理による体内の毒素排出(デトックス)」という概念は一切存在しません。経血の塊は、前述の通り出血過多によって固まった単なる血液凝固塊であり、毒素が固まったものではありません。「悪いものが出ているから良いことだ」と誤信して放置することは、子宮筋腫や子宮腺筋症などの器質的疾患を無防備に進行させる行為にほかなりません。
また、「40代に入ってから塊が増えたのは、更年期で閉経が近いから放っておけば良い」という思い込みも危険な盲点です。閉経前の数年間は卵巣機能の低下に伴ってホルモンバランスが激しく乱高下し、無排卵周期による子宮内膜の異常増殖が起こりやすい時期です。さらに、40代以降は子宮筋腫だけでなく子宮体がん(子宮内膜がん)の発生率が急激に上昇します。年齢のせいにしてやり過ごすのではなく、むしろ最も厳重な検査が必要な年代であることを認識しなければなりません。