買ってから数週間しか経っていないにんにくの中心から、気づけばニョキニョキと緑色の芽が伸びていた経験は誰にでもあるはずです。農家の栽培・貯蔵データによると、にんにくは収穫直後に一定期間の「自発休眠」に入ります。しかし、気温が10℃〜20℃前後の環境に置かれ、適度な湿気に触れると休眠から目覚める(休眠打破)性質を持っています。
芽が伸び始めると、球根内部に蓄えられていた糖分や旨味成分(アリシンなど)、水分が新芽の成長のために消費されます。その結果、実が急速に縮んでスカスカになり、特有のパンチのある風味が抜け落ちてしまいます。さらに、購入時のビニール袋に入れたまま密閉放置すると、自身の呼吸によって発生した結露が皮の内側に溜まり、灰色かび病や青カビ菌の温床となってしまうのです。
農家が収穫後に最初に行うのは徹底的な「乾燥」です。外皮の水分を飛ばして菌の繁殖をブロックし、その後は芽が動かない臨界温度帯へと移行させます。このサイクルを家庭で正しく再現することこそが、にんにく長持ちの決定打となります。