「アレルギー体質でもロジウムコーティングなら安全なのか」という疑問は、アクセサリー選びにおける最大の関心事の一つです。皮膚科医やジュエリー素材の研究データに照らし合わせると、ロジウムコーティング金属アレルギーのリスク自体は「極めて低い」と結論付けられています。
金属アレルギーは、汗などの水分によって金属が「金属イオン」として溶け出し、それが体内のタンパク質と結合してアレルゲンと認識されることで発症します。ロジウムはイオン化傾向が極めて低く、人間の汗(塩分や乳酸)程度では溶け出すことがほとんどありません。そのため、表面が完全なロジウム層で覆われている状態であれば、アレルギー反応を起こす可能性はほぼゼロに近い素材です。
それにもかかわらず、「ロジウムコーティングの指輪をつけたら皮膚が赤くなりかゆみが出た」という事例が報告されるのはなぜでしょうか。ジュエリー修理の現場検証では、主に次の2つの要因が特定されています。
第一に、「密着層に使われるニッケル」の存在です。特に低価格帯のアクセサリーでは、下地金属とロジウムの密着性を高めるため、中間にニッケルメッキ(ニッケルストライク)を挟む技法がかつて多用されていました。ニッケルは金属アレルギーの二大原因とも言われる金属であり、ロジウム層にできた微細な傷やピンホールからニッケルイオンが溶け出し、アレルギーを引き起こすケースがあります。現在の国内ジュエリーブランドでは「ニッケルフリー」の仕様が一般的ですが、安価な海外製品などを選ぶ際は注意が必要です。
第二に、先述した「被膜の摩耗による下地露出」です。長年の使用でロジウム層が剥がれ、下地の真鍮(銅や亜鉛)、あるいはシルバー925に含まれる微量の割金(銅など)に皮膚が直接触れることで、突如としてアレルギー反応が誘発されるパターンです。