諏訪湖は『君の名は。』糸守湖のモデル?新海誠監督の真意と聖地巡礼の真相

諏訪湖は『君の名は。』糸守湖のモデル?新海誠監督の真意と聖地巡礼の真相

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映画『君の名は。』の公開直後から、「糸守湖のモデルは長野県の諏訪湖に違いない」という情報がインターネット上を駆け巡りました。すり鉢状の盆地の底に広がる広大な水面、それを取り囲む山並み、そして夜になると湖畔を取り囲むように灯る街の明かり。その地理的配置は、作中で瀧と三葉が時空を超えて見下ろした糸守湖の全景と見事なまでに一致しています。

しかし、東宝の公式設定資料や劇場パンフレットを丹念に精査すると、「糸守町の公式所在地は岐阜県飛騨地方」と明記されています。町並みや飛騨古川駅、気多若宮神社、図書館などは岐阜県内に実在するロケーションが明確なモデルとして採用されている一方、湖そのものに関しては「特定の単一ロケーションをそのまま複製したわけではない」というのが公式スタンスです。

では、なぜ諏訪湖がこれほどまでに絶対的な「聖地」として定着したのでしょうか。その鍵は、監督である新海誠氏の出身地にあります。新海監督は長野県南佐久郡小海町(こうみまち)の出身であり、幼少期から八ヶ岳の稜線や信州の冷涼な空気、山々に囲まれた湖沼を日常の風景として育ちました。当時の舞台挨拶や各種メディアのインタビューにおいて、監督は「信州の盆地を取り囲む山々と、その中央に水がある風景は、自分自身の原風景として無意識に作品に溶け込んでいる」という趣旨の発言を残しています。

さらに監督の故郷である小海町には、天然湖である「松原湖」や「猪名湖」が存在します。制作現場の関係者証言によれば、糸守湖の着想には松原湖のスケール感や親しみ、そして諏訪湖のダイナミックな広がりという信州が誇る複数の水辺の記憶が重層的にレイヤー化されて反映されたと解釈するのが、クリエイティブの観点からも最も正確な事実といえます。

山本 拓海
著者

山本 拓海

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。