一般の消費者の間で今も根強く残る誤解が、「生のイカをそのまま切り抜いてパン粉を付けて揚げているのではないか」というイメージです。しかし、裏面の食品表示ラベルを確認すると、主原料の筆頭に並ぶのは「小麦粉」や「植物油脂」であり、イカそのものが主原料ではありません。
実際の原材料構成を見ると、乾燥させたスルメを粉末状にした「いか粉」や魚肉すり身を、小麦粉やでんぷんをベースとした生地に均一に練り込んでいます。これを特注のローラーで薄いシート状に圧延し、誰もが見慣れた「イカの姿」を模した金型で打ち抜き、キャノーラ油やパーム油などの植物油でカリッと高温短時間で揚げているのが実態です。
この製法は単なるコスト削減のための代用品ではなく、保存性を極限まで高めつつ、どの部分を噛んでも均一な魚介のうま味と歯ごたえを感じられるように設計された高度な食品成形技術です。丸ごとのイカでは実現不可能な、何週間も持続する独特のクリスピー食感は、この巧みな練り込み技術によって支えられています。