メガネのズレは、見た目の印象を著しく損なう。スパイアクション映画『キングスマン』でコリン・ファースが演じたハリー・ハートを思い出してほしい。完璧に仕立てられたダブルブレストのスーツに、英国伝統のクラシカルな太セル(アセテートフレーム)。激しい格闘アクションの最中でも、彼のメガネが決して無様に鼻先へずり落ちないからこそ、圧倒的な気品と説得力が宿る。
この美学は、単なるビジュアルの問題に留まらず現代のヘルスケアとも密接に直結している。メガネが数ミリ下がるだけで、レンズの光学中心(アイポイント)と瞳孔の位置が狂い、目はピントを合わせようとして毛様体筋を酷使する。これが慢性的な眼精疲労、肩こり、自律神経の乱れ、ひいては偏頭痛の引き金となる。フレームを定位置に保つことは、健康的な生体リズムを維持するための必須条件なのだ。