Q1:一般家庭の出身から幹部俳優まで上り詰めた役者は本当にいないのですか?
A1:極めて稀ですが存在します。代表例が人間国宝の坂東玉三郎氏です。玉三郎氏は梨園の生まれではありませんでしたが、十四代目守田勘弥氏に見出されて養子となり、天賦の才と壮絶な努力によって女形の頂点を極めました。また、片岡愛之助氏も一般家庭から二代目片岡秀太郎氏の養子となって松嶋屋の名跡を継承し、幹部俳優として第一線で活躍しています。ただし、いずれも名門の「養子」となる芸脈上の手続きを経ている点が共通しています。
Q2:成田屋と音羽屋、観客として観るならどちらの一門がおすすめですか?
A2:求める舞台の性質によって異なります。勧進帳や助六のような、圧倒的な英雄像、荒事の迫力、歌舞伎ならではの祝祭空間を味わいたいなら「成田屋」がおすすめです。一方、登場人物の細やかな心情の機微、世話物のリアルな江戸情緒、洗練されたアンサンブルの妙味を楽しみたいなら「音羽屋」の舞台が見応えを発揮します。
Q3:歌舞伎座のポスターに書かれている役者の名前順で序列が分かりますか?
A3:明確に分かります。ポスターや筋書の中央、あるいは右端に配置されるのがその興行の主役(座頭)であり、最も格式の高い役者です。また、左端(最後)に記載される「トメ」の位置には、舞台全体を引き締める最高幹部や長老格が置かれます。役者の序列に配慮し、連名で並べる際にも文字の大きさや配置の高さ(均等か段違いか)に厳格なルールが存在します。