アニメファンの間で語り草となっているのが、タツノコプロ 出身クリエイターたちの顔ぶれの豪華さです。かつての国分寺スタジオは、才能ある若者たちが昼夜を問わず情熱をぶつけ合う「日本アニメ界の梁山泊」と呼ぶべき場所でした。
『ファイナルファンタジー』シリーズのキャラクターデザイナーとして世界的に知られる画家・イラストレーターの天野喜孝は、15歳でタツノコプロに入社し、ガッチャマンやキャシャーンのキャラクターデザインを手がけました。また、『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』で映画史に名を刻んだ映画監督の押井守も、アニメーション演出家としてのキャリアをタツノコプロでスタートさせています。押井監督自身、自著やインタビューの中で「タツノコでの過酷な現場経験が、映像演出の基礎を叩き込んでくれた」と述懐しています。
さらに、機動戦士ガンダムシリーズで日本に「メカニックデザイン」という職業を確立させた大河原邦男も、タツノコプロの美術課出身です。加えて、『魔法の天使 クリィミーマミ』のキャラクターデザイナー・高田明美、後に数々のヒット作を監督する真下耕一や千明孝一など、日本のアニメ産業を牽引したトップランナーたちがタツノコプロの門下から巣立っていきました。上下関係にとらわれず、若手にも大胆にチャンスを与える自由な社風こそが、稀代の才能を開花させる温床となったのです。