こうした銀行手続きの脱ハンコ化は、一銀行の気まぐれではなく、金融行政全体の大きな潮流に基づいている。金融庁は数年前から行政手続きや金融機関の業務効率化に向けたデジタルシフトを強く推奨してきた。マネーロンダリング対策の強化と利便性向上を両立させるため、高度なセキュリティを備えたデジタル認証への移行が加速しているのだ。
メガバンク各行の中でも、業界首位の三菱UFJ銀行はこの流れを積極的にリードしてきた。店舗網の再編と窓口業務の省力化を進めることで、浮いた経営資源をデジタル投資へと集中させている。利用者がスマホ完結型の取引に移行することは、銀行側にとっても紙媒体の管理コストや郵送費を削減できる相互のメリットを生み出している。