実際にウィッグを購入・利用した当事者たちは、どのような点に満足し、何に苦悩したのでしょうか。闘病ブログや体験手記、各種レビューに寄せられた生々しい声を分析すると、カタログスペックだけでは見えない実情が浮かび上がってきます。
大手メーカーの代表格であるスヴェンソンの医療用ウィッグに対する評判では、「治療の段階に応じて何度も無償でサイズ調整をしてくれたことが本当に助かった」というサポート面を評価する声が圧倒的です。自著の手記で乳がん治療を明かしたある患者は、「髪が全て抜けた時と、治療後に少し生えてきた時とで頭の周囲径が驚くほど変わる。その都度サロンの個室でネットを縫い縮めてくれた対応に精神的にも救われた」と述懐しています。スヴェンソンは初期費用を抑えられる月額レンタルプランも展開しており、治療期間が明確な患者から高い支持を得ています。
一方、アデランス(フォンテーヌ)の口コミでは、「髪質が非常に自然で、会社の同僚から全く気付かれなかった」「個室サロンでのカウンセリングが丁寧で、プライバシーが徹底的に守られていた」という製品クオリティと接客力への賛辞が目立ちます。一方で、「品質は素晴らしいが、オプションを付けると20万円を超えてしまい予算オーバーになった」というコスト面でのシビアな声も散見されます。
これに対し、リネアストリアやブライトララといったネット通販特化型ブランドは、1万〜3万円台という圧倒的な低価格で利用者の裾野を広げています。「自宅で気兼ねなく試着できる」「洗い替え用の2個目として気兼ねなく使える」という高評価がある半面、「届いた状態のまま被ると前髪が長く、自分でセルフカットするのに失敗した」「頭頂部の人工頭皮の境目が少し不自然だった」といった加工技術を要する点への戸惑いも報告されています。
こうした実態から導き出されるのは、「仕事で日常的に対面接触があるメイン用には専門店でのフィッティング調整品を選び、休日の近所への買い物や洗い替えには通販のリーズナブルな製品を使い分ける」という二段階運用の賢さです。