「雷の速度は光と同じなのか、それとも音と同じなのか?」という疑問に対し、物理学の観点から明確に答えるならば、「目に見える光は光速、耳に届く音は音速だが、雷の本体である稲妻(電気放電)の進む速さはそのどちらでもない」というのが決定的な事実です。
世間一般では、ピカッと光る現象そのものを「雷」と一括りに捉えがちです。しかし、気象学や電気工学において雷現象を解析する場合、以下の3つを明確に区別しなければ正確な速度を把握できません。
1つ目は、放電によって生じた閃光である「雷光」です。これは純粋な電磁波(可視光線)であるため、真空中や空気中を秒速約30万km(時速約10億8000万km)という物理学上の限界速度で疾走し、地上にいる私たちの目にほぼゼロ秒で到達します。
2つ目は、数万度まで急激に熱せられた大気が爆発的に膨張して発生する衝撃波、すなわち「雷鳴」です。こちらは大気の振動(疎密波)であるため音速(秒速約340m・時速約1224km・マッハ1)でしか空間を進むことができません。
そして3つ目こそが、多くの人が最も知りたい「稲妻の速さ 時速 真相」である放電現象そのものの物理速度です。雲と大地の間に電気が流れるスピードは、光速よりもはるかに遅く、しかし音速とは比較にならないほど猛烈な速度で大気中を切り裂いています。この放電プロセスを詳細に観察すると、雷が地上へ落ちる際、2段階の劇的な速度変化を起こしていることが分かります。