目上の方を敬う場だからこそ、形式面の最低限のマナーは押さえておきたいところです。特に熨斗(のし)と贈り物選びには明確な作法が存在します。
傘寿の熨斗の書き方と水引におけるルールはシンプルです。水引は「何度あってもめでたいお祝い」であるため、紅白または金銀の「蝶結び(花結び)」を選びます。一度きりであってほしい結婚祝いなどに用いる「結び切り」は絶対に避けてください。表書きの上段には「祝傘寿」「傘寿御祝」あるいは汎用的な「寿」「御祝」と記し、下段中央に贈り主の氏名をフルネームで筆または筆ペンを用いて濃く書きます。
一方、気をつけたいのが傘寿祝いのタブーとNGプレゼントです。悪気がなくても、以下の品物はマナー違反や不吉な連想を招くため贈呈を控えるのが一般的です。
- 老眼鏡・補聴器・杖:「老い」を直接連想させる実用品は、本人が自発的に希望しない限り贈り物としては不適切とされます。
- 櫛(くし):「苦」や「死」を想起させる語呂合わせのため縁起が悪いとされます。
- ハンカチ(特に白):手布(てぎれ)として「縁の切れ目」を連想させ、白い布は故人の顔にかける布に通じます。
- 履物・敷物(靴・スリッパ):「相手を踏みつける」という意味を持つため、目上の人に対しては禁忌です。
- 日本茶:弔事の香典返しに使われることが多いため、慶事の贈り物としては避けるのが通例です。
添える手紙やカードには、敬意と感謝が伝わるメッセージを添えましょう。以下に使いやすい文例を挙げます。
【傘寿のお祝いメッセージ文例】
「お父さん、傘寿のお誕生日おめでとうございます。いつも温かく家族を見守ってくれて心から感謝しています。八十歳を迎えても変わらず趣味に打ち込む姿は、私たち家族の誇りです。どうか体に気をつけて、これからも笑顔あふれる毎日を過ごしてください。」