スキンケアの基礎となる化粧水と乳液の最大の違いは、配合されている「水分と油分の比率」および「皮膚生理学的な目的」にあります。健やかな肌の角層は、水分と油分が整然と並ぶラメラ構造によって外部刺激から守られ、うるおいを保持しています。このバランスを外部から適切に補うために設計されたのが基礎化粧品です。 化粧水の主たる目的は、洗顔によって一時的に皮脂膜が失われた無防備な角層に潤いを行き渡らせる化粧水の水分補給の役割です。成分構成の約80〜90%が精製水で占められ、そこにグリセリンやヒアルロン酸などの水溶性保湿成分が溶け込んでいます。硬くなった角層を柔軟にし、後から使用する美容成分の通り道を整える導入の機能も担っています。 対して乳液は、水分と油分を界面活性剤によって均一に乳化させた構造を持ち、乳液の役割と保湿効果の真髄は「エモリエント効果(皮膚軟化・蒸散抑制)」にあります。補給した水分はそのままでは大気中へ蒸発してしまうため、適度な油分で保護膜を形成し、水分を角層内部に閉じ込める役割を果たします。
この物理的な構成比率を見れば明らかなように、化粧水と乳液は「どちらが優れているか」という対立軸ではなく、相互補完の関係にあります。水分だけでは蒸発し、油分だけでは角層がしなやかに潤いません。理想的な肌の水分と油分のバランス(水分80%:皮脂・油分20%前後)を保つために、両者の組み合わせが不可欠です。