御嶽山噴火の遺体捜索と真相|過酷を極めた収容活動と今なお残る教訓

御嶽山噴火の遺体捜索と真相|過酷を極めた収容活動と今なお残る教訓

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御嶽山噴火は、単なる自然の猛威として片付けられることはありませんでした。被災者遺族ら32名は、「気象庁が事前に火山性地震の増加を観測していながら警戒レベルを1(平常)から引き上げなかったのは違法である」として、国と長野県を相手取り総額約3億7600万円の国家賠償を求める訴訟を提起しました。

争点となったのは、噴火前の約2週間前に記録された1日50回以上の火山性地震をどう評価すべきだったかという「予見可能性」と「注意義務違反」の有無でした。裁判の中で遺族側は、「レベル2(火口周辺規制)へ引き上げられていれば登山を中止し、犠牲は防げた」と強く訴えかけました。

長野地裁での審理を経て出された判決では、気象庁の火山情報通知の運用に一部不備があった可能性に触れつつも、「当時の火山噴火予知連絡会の技術的知見に基づけば、直ちに水蒸気噴火の発生を予見し警戒レベルを引き上げる義務があったとまでは認められない」として、原告側の請求を棄却しました。この判決は遺族にとって極めて重く悔しい結果となりましたが、この裁判闘争を契機として、日本の火山防災体制は劇的な見直しを迫られることとなりました。

阿部 裕樹
著者

阿部 裕樹

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。