身元特定への大きな転換点となったのは、メディアによる報道とSNS上の情報拡散でした。保護された自治体が公開した身体的特徴(身長、着衣、所持品、特徴的なほくろや手術痕など)がネット上で共有され、瞬く間に数万件のリポストを記録したのです。
拡散された情報を見た知人や親族から「行方不明届を出している家族と似ている」という有力な情報提供が寄せられ、警察のDNA鑑定や指紋照合を経て、記憶喪失男性の身元判明が正式に確認されました。
保護から数か月ぶりに果たされた記憶喪失からの家族との再会。駆けつけた家族が涙を流して抱きしめる一方、本人は家族の顔を見てもすぐには過去を思い出せず、戸惑いを隠せないという切実な現実も浮き彫りになりました。それでも、自らのルーツと本名を取り戻した瞬間は、孤立無援だった男性にとって確かな救いとなりました。