パルデア新御三家を語る上で欠かせない文化現象が、発売前後にSNSや掲示板を埋め尽くしたネットミーム「ニャオハ立つな」の存在です。なぜこれほどまでにファンは「二足歩行化」を恐れ、そして最終的に受け入れたのでしょうか。そこにはポケモンコミュニティ特有の歴史的背景と心理的変遷が存在します。
発端となったのは、第6世代のフォッコ(テールナー→マフォクシー)や第7世代のニャビー(ニャヒート→ガオガエン)など、歴代の猫型・狐型四足歩行ポケモンが最終進化で筋骨隆々の二足歩行ファイターへと劇的変化を遂げてきた前例です。可愛らしい子猫の姿に一目惚れしたユーザーたちが、「どうか愛らしい四足歩行のまま進化してくれ」と願った祈りがTwitter(現X)でトレンド1位を獲得し、無数のファンアートや動画ミームを生み出しました。
しかし、実際に登場したマスカーニャは、二足歩行でありながら細身で優美な仮面舞踏会の奇術師でした。肉体派のレスラー路線ではなく、しなやかな身のこなしと洗練されたモーションが公開されるや否や、当初の懸念は霧散。「立っても最高に美しかった」「想像の何倍もスタイリッシュ」と評価は180度反転し、公式人気投票でも上位の常連となる社会現象へと昇華したのです。
一方、ウェーニバルに対しては「モーションの陽気さが癖になりすぎる」「画面の端でずっとサンバを踊っていて笑いが止まらない」といった親しみと困惑が入り混じった愛着が形成され、ラウドボーンに対しては「最初はワニが歌う意味が分からなかったが、頭の小鳥との共生関係を知って感動した」という設定面の深掘りが絶賛されました。三者三様のギャップが、プレイヤーのエンゲージメントを極限まで高めた好例と言えます。